冬がやってくる!仕事場の温度と生産性の関係とは?

寒くてつらい冬がもうすぐそこまでやってきています。

これを書いている私は、冬がものすごく苦手です。

 

朝は起きるのがつらいし、外を歩いたら耳が痛くなるし、手足も凍えて一気にテンションが落ちる。私と同じく四季の中で冬が1番苦手だという人はダントツに多いというデータもあるようです。

 

しかしながら「寒い!」と文句ばっかり言っても待ってくれないのが仕事というもの。

 

労働安全衛生法に基づいて規定された事務所衛生基準規則では、『事務所内の温度が17℃以上28℃以下、相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない』とされています。その範囲の中でも快適に過ごせる温度は、夏季では24~27℃、冬季では20~23℃です。

 

快適であれば仕事もしやすいと思いますが、もっと集中して仕事ができる環境は作れるのか?

 

そこで、よりパフォーマンスを上げるために最適な室温と体温調整方法について調べてみましたので、ご紹介していきます。

温度は作業効率に影響する

寒いと気分が沈む。あたたかいところから動きたくなくて、やる気がでない。メンタル面でも、このような影響がでてくる冬の寒さ。

 

では身体的な面では、温度環境は行動や能力にどのような影響を与えるのでしょうか?

 

調べてみると、人間が最も作業効率を上げやすい温度は18℃〜25℃とのことでした。そして25℃から1℃上がるごとに作業効率が2%ずつ低下するという調査結果もあるようです。

 

温度が高いと脳の血流が変わり、それが活力の低下につながってしまうのが原因とのこと。

 

それならクールビズで目安とされている温度の28℃では、作業効率が6%下がってしまうのでしょうか…。その結果、残業代が発生するようなことになるなら、見直す必要はあるかもしれないですね。

 

クールビズに対し、冬場のウォームビズでは設定温度は20℃にすることが推奨されています。これをあたたかくしすぎると、眠たくなったり、思考力が鈍ってぼーっとしてしまったりと、集中力がもたなくなってしまいます。

 

人間の脳は温度から受ける影響が大きく、脳を活性化させるためには室温をうまく調節することが重要というわけですね。

温度より湿度のほうが大事じゃないの?

温度だけではなく、湿度も生産性には大きく関わってくる要素です。

湿度には『絶対湿度』と『相対湿度』があります。

絶対湿度は、空気中に含まれている水の量のこと。
相対湿度は、空気中に含むことができる最大の水の量=飽和水蒸気量に対して、実際に含まれている水の割合のこと。

 

一般的に「湿度」と言うと相対湿度を指すので、洗濯物の乾きやすさなどは、基本的には相対湿度に依存します。

 

飽和水蒸気量は気温によって変化し、温度が高くなるほどその数字は大きくなります。よって、密閉した場所で空気を加熱すると飽和水蒸気量が多くなるので、相対湿度は低下します。これが室内でエアコンをつけると空気が乾燥する理由ですね。

 

エアコンをつける前の室温と設定温度の差が大きければ大きいほど、相対湿度は低くなっていきます。

 

そして、相対湿度が30%を下回ると目の粘膜の活動性に何らかの影響がでて、人はまばたきの回数が増えるそうです。目が乾いてまばたきが増えると、目が疲れやすくなり、そこから頭痛や肩こりを引き起こし、作業効率の悪化にもつながるとのこと。

 

また湿度が低いと、皮膚が乾燥してかゆくなったり、のどがカラカラになったりすることで集中力にも影響し、さらには体調の変化にも大きく関わってきます。

 

温度20℃・湿度20%の環境ではインフルエンザウイルスは6時間後にもその70%近くが生き続けているけど、湿度を50%以上に上げるとその生存率は3%まで減ったというデータがあります。生産性を上げる以前に体調を崩してしまっては元も子もないですよね。

 

ですから、冬場の仕事場の湿度を快適に保つことは重要。

 

その乾燥を防ぐために、加湿器などを使って湿度を上げるだけではなく、室内の相対湿度を下げすぎないようにする、つまり室温を高くしすぎないということも重要になってくるというわけです。

仕事をするのに適した室温は?

冬季では20~23℃が快適な温度であるとお伝えしました。そこからさらに仕事に集中したいときは、その仕事の内容によって室内の温度を変えてみることが有効です。

 

ですが、同じ室内に複数の人がいるとエアコンの温度を変更することはなかなか難しいと思いますので、それができる環境で試してみてくださいね。

 

・幅広く、柔軟に考える必要のある仕事
・クリエイティブな仕事

 

この場合は、比較的あたたかい環境のほうが創造的に考えるのに向いています。クリエイティブな仕事の生産性を上げるのに最適な温度は22℃前後だそうです

 

・事務的で繰り返し作業が必要な仕事
・脳の回転や作業スピードが求められる仕事

 

この場合の室温は低めのほうが、短い時間で効率よく行えるようになります。このとき、18℃前後がベストな室温と言われており、脳にある温度調整機能が活発に働き、感覚や思考が鋭敏になるためです。受験生のための学習塾で18℃に温度設定しているところもあるそうです。

 

18℃でしたら、地域にもよりますが暖房を軽くかけた程度の温度ですね。そのため、この温度設定は少し寒く感じると思います。そんなときのために、次に、おすすめしたい体の温め方をご紹介します。

おすすめの体温調整方法

デスクに座って作業をしているとして、床付近の温度と頭の高さの温度では5℃近く差がでることもあるそうです。

 

体温を調節するのは脳の働きによるので、寒いとき、脳は体を温かくするための指令をだします。ですが、この温度差によって頭付近が温かい状態になっていると、体全体が温まっていると脳が勘違いしてしまい、体を冷やそうとしてしまいます。

 

さらに、足先は体の端で血流がめぐりにくいため、足元の温度が低いことでさらに冷えてしまいます。

 

そこで有効になるのが、頭を温めずに足元を積極的に温めることです。

 

足元を温めれば、血流が促進されて冷えが緩和すると言われています。特に太ももには大きな血管があって血液循環機能が高いので、ここを温めることによって、全身の血行を効率的によくすることができるそうです。

 

そこでおすすめなのが『電気ひざかけ』です。

電気ヒーター付ひざかけは、電気消費量が少なく、設定を『強』にして使っても電気代1時間1円以下。USB給電で使用できるものもあるようですので、PC作業中にも使えますね。

 

まずは電気ひざかけで足元から温めて、体全体の血流をよくしておけば、自律神経のバランスが整えられる。そして部屋の温度は上げすぎず、頭のあたりに温かい空気が集まらないようにする。そうすれば、頭が熱をもたずスッキリした状態になるので、集中力につながるというわけです。

 

『頭寒足熱』という言葉がありますが、まさにその状態ですね。

最後に

今回は、冬に室内で仕事をするうえで最適な温度についてご紹介しました。

寒いときは、ついついエアコンなどの暖房器具で部屋の温度をあげてしまいがちです。ですが、少し寒いくらいにすると脳が効率よく働く環境になることがわかりました。

 

とはいえ、年齢や性別、体型、体質、住んでいる地域、運動の頻度などの要因で、温度の感じ方の個人差はでてくるものです。

 

特に女性は男性より基礎代謝量が低い傾向にあるため、寒さを感じやすいと言われます。そして、冷えから骨盤回りの血流が悪くなると、女性ホルモンの変化に伴って様々な不調が起きることもあるそうです。

 

その予防のために、椅子の座面に貼るカイロをセットしておく方法もおすすめです。これだと深部から温まることができそうですね。(低温ヤケドに充分なご注意を!)

 

仕事環境の視点から生産性を上げるためには、その仕事内容によって温度設定を変えてみること。そして、足から体を温め、頭はスッキリさせながら集中モードになれる『頭寒足熱』の体温調整方法。

 

今年の冬は、こちらを試してみてはいかがでしょうか?

おすすめの記事