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日本はものすごい勢いで借金が増えています。この記事を書いている時点で、政府の借金(国債)は約900兆円。地方自治体の借金(地方債)が約200兆円となり、総額で約1100兆円の借金を抱えています。(一部では政府が巨額の資産を抱えているという意見もあり、借金自体はもっと少ない見方もありますが…)
正直、金額が大きすぎて多くの方が国の借金について認識できないと思います。しかしながら、国や地方の借金のしわ寄せは私たち国民に来ることになります。また、将来生まれてくる子どもにも重くのしかかります。
今、この記事を読んでいるあなたも将来のために貯金をしたり投資をしたりしているかもしれません。特に私は「投資」をしたほうがいいと考えています。今回はその理由と投資のはじめ方を解説します。
お金を増やす方法
まずは、お金の増やし方を考えてみたいと思います。多くの人は毎日のように仕事をして、その対価でお金(給料)をもらいます。なかには、個人事業主として自らお金を生み出している人もいるでしょう。
いずれにしても自分が働くことでお金を増やしていくことがほとんどです。「労働」はお金を稼ぐ、増やすには最も一般的でしょう。会社員であれば仕事帰りや休日のアルバイトでお金を増やしていけます。
しかし、時間は誰にでも有限です。労働を増やすには限界がありますし、無理に働けば健康を害することもあるでしょう。労働時間を増やしていくのは非効率的な側面もあります。
そこで自分が働くのではなく、お金にも働いて貰えばいいのです。お金でお金を産むことができれば自分が寝ていても資産が増えていきます。お金でお金を産むのが「投資」となります。
投資とは
投資といっても多種多様です。何気なく銀行に預けるのも投資になります。銀行に預けるときは、いつでもお金を出し入れできる普通預金。預ける期間を決めて、原則として自由にお金が出し入れできない定期預金があります。しかし、利子として受け取れる金額はほとんどありません。
銀行預金の利息が気になる人は、以下のシミュレーターで計算してみましょう。その少なさに悲しくなります…。
円定期計算|シミュレーション|MONEYKit - ソニー銀行
銀行預金の他には、FX(外国為替証拠金取引)、株式投資、投資信託、個人向け国債、不動産、仮想通貨、金(きん)、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出)…。数多くの種類があります。
それぞれに特徴があり、自分に合ったものを選ぶ必要があります。
貯金だけではいけないのか
投資とはいえ、「よくわからない」と思う人も多いです。もともと日本人は民族性なのか、投資よりも貯金を好みます。「日本銀行調査統計局」の調べでは、家計の金融資産構成が公開されています。
家計の金融資産構成において、日本人はおよそ半分が現金か預金となっています。一方でアメリカは13%程度、ヨーロッパは34%ほどです。資産の半分を現金、もしくは預金が占める日本人。いろんな見方があると思いますが、安定志向なのかもしれません。
参考:資金循環の日米欧比較
「堅実」
「安定」
就活をする際もそんなことを考えて行動する人がいますので、資産についても同じなのでしょう。貯金は元本割れすることがないので、確実に資産を増やしていくことができます。そして、将来に向けて貯蓄だけで暮らしていけるのであれば、投資は必要ないでしょう。
しかし、東京証券取引所 金融リテラシーサポート部の三木誠さんによると平均的な給与水準の人が運用せずに貯金だけでは、将来の生活は厳しいとのことです。
また、三菱UFJ信託銀行によると、老後に夫婦2人が必要な資金は3,000万円(定年を60歳とした場合)といいます。根拠は総務省の家計調査報告となっています。
老後に夫婦が3,000万円必要というのは、個人の年金受給額や定年まで働くかなど様々な条件変化します。しかし、仮に65歳まで現役で働いたとしても、平均寿命を考えれば20年間は暮らしていけるお金が必要です。
20歳から65歳までの45年間働いたとして、3,000万円を貯めるには年間70万円弱は貯金しなければなりません。今、30歳の人であれば、これから年間約85万円の貯金が必要な計算です。
色々と試算していくと、やはり貯金を続けるだけでは老後資金を確保するのは難しいと考えられます。老後だけではなく、結婚や出産、マイホームの購入などライフイベントに備える必要もあるため、貯金だけではカバーしきれない可能性が高いです。
どんな投資をするかは人それぞれ
前述の通り、投資といっても様々な種類があります。また、投資にはリスクがつきますので、そのリスクの取り方は人により違います。投資初心者が選ぶ金融商品では、投資信託や日本株式の現物取引が多いです。
中長期的な資産形成がしやすいことがその理由でしょう。投資信託であれば、大枠の商品タイプを選ぶだけでプロが運用します。毎月決まった金額を預けるだけで投資ができるので、初心者も取り組みやすい投資です。
一方である程度の知識が必要となるF Xや株の信用取引は、初心者にはハードルが高くなります。最近ではN I S A(ニーサ)やiDeCo(イデコ)といった、税制優遇制度も人気が出てきています。
色々な金融商品があるため、何が自分に合っているのかを見極めるのも大変でしょう。まず考えて欲しいのは、「どのようにお金を増やしていきたいか」です。どれくらいの期間でお金を増やすかで考えるといいです。
・短期間(1年以内・リスク大)…株式投資など
・中期間(10年以内・リスク小・リターン小)…個人向け国債、個人向け社債など
・中期間(10年以内・リスク中・リターン中)…投資信託、上場投資信託(E T F)など
・長期間(20年以上・リスク小・リターン中〜大)…iDeCoなど
短期間で利益を出すには、株式投資のスイングトレードと呼ばれる手法などがあります。スイングトレードは2、3日間株式を保有して売買していきます。しかし、豊富な知識や経験が必要になることがほとんどです。リターンは大きいものの、リスクも高くなるので注意が必要です。
個人的におすすめしたいのは、中長期で投資をすることです。リターンは少なくなりますが、リスクも小さいのが特徴です。上記で例にあげた個人向け国債や個人向け社債は比較的リスクの少ない金融商品です。
しかし、個人向け国債の利率は0.05%となっていて一般的な銀行の定期預金の利率よりも少しだけ高いくらいになります。お金を増やしていくことはそれほど期待できないでしょう。
そこで現在人気なのが、個人向け社債です。社債は企業が事業に必要な資金を集めるために発行する債権です。国債は国が発行する債権ですので、その企業版といっていいでしょう。
債権とは利率や満期日があらかじめ決められていて、購入すると定期的に利子が入ってきます。満期日を迎えると元本が返ってくる金融商品です。
個人向け社債は、国や地方自治体とは違って倒産などのリスクが高いため利子率も高く設定されているのが特徴になります。100万円単位の大口で購入できる場合もあれば、1万円から始められる商品もあります。満期や利子の支払いペースもそれぞれです。個人向け社債を選ぶときは、企業の安定性を重視して選んでみてください。
長期的に投資をしたい場合は、iDeCoも有効です。iDeCoの正式名称は「個人型確定拠出年金」といいます。日本の年金制度は、「国民年金」、「厚生年金」、「働き方決まる年金」の3階構造となっています。
自営業者や会社員など関係なく加入する国民年金、さらに、会社員などは厚生年金にも加入します。企業によって退職後に企業年金などを受け取る人もいます。ですから、一般的に会社員で長期間働くと年金額が多くなるわけです。
しかし、ご存知の通り日本は少子高齢化が進み、年金制度の維持が課題となっています。そこで誕生したのがiDeCoです。正式名称に「個人型」と記載されているように、個人が自分自身で作り出す年金制度です。
・日本在住の20〜60歳であれば誰でも始められる
・月額5000円からスタートできる(加入者の職業で月々の積立上限が決まっている)
・積み立てたお金は60歳まで引き出せない(加入期間で異なる)
・様々な税制優遇が受けられる
iDeCoについて特徴を簡単にまとめると上記のようになります。iDeCoは銀行などの様々な金融機関で申し込むことができ、定期預金や保険商品、投資信託などで掛け金を運用していきます。そして、60歳になると受け取る仕組みです。
また、掛け金が全額所得控除になり、運用して得た利益は非課税となっています。満期を迎えて受け取る際も、各種控除対象です。一般的な定期預金や投資信託は運用益や利子が課税対象になりますので、iDeCoで始めた方がお得なるわけです。
ただし、どの金融商品を選ぶかがポイントです。非常に長いスパンで投資をするわけですから、金融機関の選定も大事です。元本保証の場合は、利率が高い金融商品(定期預金)を取り扱う銀行を選ぶ必要があります。投資信託を選べば、資産を増やしやすいですが元本割れの可能性も出てきます。
信託報酬や購入手数料など各種手数料が発生します。出来るだけ手数料がかからない商品を選ぶことも大事です。
このように投資をするにあたり、自分がどのようなスタンスでお金を増やしていきたいかを考えることが重要になります。
「●年後までに▲万円貯めたい」
という目標を設定して、投資や貯金をしていくといいと考えます。旅行、結婚、出産、子育て、老後とライフイベントごとに設定してみるといいでしょう。
少額投資は意味がないのか
投資に関して、もう一つだけ触れておきたいテーマがあります。それは「少額投資」です。少額投資とは、数千円や数万円といった少額なお金で投資をすることになります。
具体的には株式投資やiDeCoなどを少額で始めることです。少額投資は専門家や著名人も意見が分かれています。少額投資は元本が少ないため、リターンも少なくなるというのが否定派の意見です。
極端な例ですが、100円を元手に年利3%の金融商品を投資しても年間で3円の利益にしかなりません。1万円でも300円となるわけです。しかし、同じ利率で1億円用意すれば年間300万円も増えることになります。
そのあたりは、それぞれがどれだけの元手を用意できるかで変わるでしょう。まとまった資金を用意できれば、少額投資の意味はありません。ところが、毎月無理なく積み立てたいと考える人には少額投資も有効です。
よって、周囲の意見に流されず、自分がどのようにお金を増やしたいかを重視してください。少額投資が意味のないものとは言い切れないのも現実です。
私の投資方法
最後に私の投資方法を紹介したいと思います。繰り返しですが、投資は個人のスタイルがあります。あくまでも私の場合ですので、ひとつの参考だと思ってください。
私の場合、現在、医療保険と個人年金で資産運用をしています。
個人年金とは、公的年金と同様で毎月決まった保険料を支払って満期になると受け取れるものです。私が加入しているのは元本が保証されていません。15年の期間、毎月保険料を支払います。その後は、70歳になるまでプールされて元本が増えていくシミュレーションです。
医療保険は一般的なものならば掛け捨てです。しかし、私が加入している医療保険は65歳になると支払った保険料が戻ってくるタイプです。保障内容も申し分なく、貯蓄感覚で加入できたので選んでいます。
この2つの金融商品への投資は、長期的な視点で考えているものです。ちなみに、2つの保険料は合計12,000円です。(月額)無理のない範囲で積み立てをしています。
他には、金融関係への知識をつけるために日本株を数万円程度保有して、数日スパンで値動きをチェックしています。
私の投資スタイルは長期的に積み立てて増やしていくものと、短期的に売買するものを組み合わせています。リリースから年月は経過していますが、最近はスマホアプリで1000円から投資できるワンタップバイにも興味があります。
まとめ
お金は生きていくうえで、常に向き合うものです。将来に不安があり、貯金をしている人も多いと思います。しかし、貯金だけでは老後の生活費の確保ができないかもしれません。
貯金だけではなく、投資を行うと効果的にお金を増やしていけます。投資は自分のスタイルを確立させていくことがポイントです。ぜひ、あなたに合った投資方法をみつけてください。